□エアーズアドベンチャー


moN : ゼビウスとか、ドルアーガの塔って知ってるよね?
aI : ええ。当然。普通、コンシューマーのゲームファンなら誰でも知ってるような名作ですよね。今日のクソゲー話と何か関係があるんですか?
moN : 大有りなんですよ、それが。ええ。
 実はですね、ゼビウス、ドルアーガの塔、あとケルナグールとか作った、巨匠、遠藤雅信というクリエイターの方がいらっしゃるんですけれどもね。その彼が、あのファイブスター物語の永野護をグラフィックに迎えて作った大作(の予定だった)、セガサターンの『エアーズアドベンチャー』という素晴らしいクソゲーがあるんですよ。
 もう、ほんとにサイコー(笑)
aI : え、そんな本当に巨匠、って感じの方がそんなゲームを作ってるんですか?
moN : うーん。何故だか知らないけど、作っちゃったんだよ、これが。もう、すごい作品でさあ、まずね、電源つけるでしょ。いきなり主人公が公開死刑の死刑台にいるのね。
aI : まあ、それは別に普通ですよね。
moN : で、その殺されそうになってるところをその国のお姫様に助けられて、その直後に、公衆の面前で男が近づいてきて「もうキミはカタギでは生きられないだろう。秘密結社にきたまえ」とすごい公衆の注目の的って感じのところで、秘密結社に誘われるんだよ、秘密結社の団員が唐突に(笑)
aI : それは、また、すごい、秘密結社ですね(笑)ぜんぜん、秘密じゃないじゃないですか(笑)
moN : いやいや、秘密だから(笑)何が秘密なのかは知らないけれど(笑)
 で、それから、秘密結社に入るための訓練を受けるんだけれども、その訓練もまたすごいんだ。全部は言わないけれども、「迷宮の中から宝箱をとってくる試練だ。見事さがしだしてくらがよい」と、言われて迷宮の中がなんと一本道!(笑)
aI : そ、それは迷宮?!(笑)
moN : あのゲームでは迷宮だから(笑)つっこんじゃいけないよー、そんな程度で(笑)
 で、まあ、あとすごいところが沢山あるんだけれども、ビジュアル面のはじけっぷりは見てもらわないことにはわからないんだけれども、まあ、とにかくすごいんだけれども、そのあとも、主人公の行動はすごくってさ、まず、秘密結社の第一の仕事が、とある金持ちの家に行って手紙を受け取り、王宮へ届けて来い、っていうパシリの役なんだけどね、金持ちが手紙を渡すときに「くれぐれも手紙の中身を見ようなどと思うなよ」と言って手渡すんだけれども、主人公は、渡されて、金持ちが家の門を閉めた瞬間に速攻で手紙を破ってその門の前で余裕しゃくしゃくで手紙を読み始めるからね。(笑)とてつもないよ、あの主人公は。
aI : 悪人だ、完全に(笑)
moN : でねー、その少し後に姫がさらわれたって情報が入ってくるんだけれども、その情報に反応しての主人公のセリフが「なんということだ、まだ恩返しもしていないのに。私のくちづけという恩返しを!」
aI : すごい自意識過剰だ……(爆笑)
moN : でねー、まあ、本筋はそのあとも延々と怒涛のような展開でツボって感じのセリフが続くんだけれどもね。魔法のエフェクトとかもすごいんだよ。
aI : どんなんなんですか?
moN : オレは「The・腰痛!」という呼び名を付けてる魔法が最初に覚える魔法なのね。
aI : 腰痛?(笑)
moN : うん。なんかね、人型の敵とあたった時にその魔法を使うと、なんか敵の腰のあたりからなんか出てるんだよ。なんかビリビリッと。あ、なんか、敵を腰痛にしてるぞって感じで、敵にダメージを与えて倒すわけ。「見たか、これぞ腰痛パワー!」って感じでね。
aI : それはまずい(爆笑)
moN : 他にも、なんか敵に濡れた白いタオルみたいなのをヒョロヒョロと投げつけて敵を倒す魔法とかね。うわっ、なんか変なもの投げてるなぁ……って言う感じの(笑)
aI : それは嫌ですねえ。タオル投げつけられて死ぬ敵って一体、何者ですか……(笑)腰痛とかで死ぬ敵とか……(笑)
moN : 失礼だなあ、ガーゴイルとか、ゴーレムとかドラゴンとかが腰痛で死ぬという事実をキミは知らない!(笑)
aI : 知ってたまるか!(笑)
moN : ああ、拒否されちゃったよ(笑)、まあいいんだけれどもさ、オレは心が広いから(笑)
aI : そういう問題じゃないですしね(笑)
moN : ええと。でね、あと、戦闘中の豪快なポリゴン欠けとかも見逃しちゃいけないね。船の上での海上戦闘とか、船の上で戦ってると思ってたのが、なんだかポリゴンが欠けまくっていつのまにかイカダの上で戦ってるから(笑)
aI : それはどのくらいポリゴン欠けしてるんですか?(笑)
moN : 「え、ポリゴン欠けって何?ボクそんなの知らないよ。なんかそれってまずいの?」ってぐらいかな。(笑)
aI : よくわからない…(笑)
moN : 要するに「ポリゴン欠けなんて関係ねェ!」って感じかな。(笑)
aI : つまり、「ポリゴンの100個や200個が欠けるぐらい、ケチ臭いこと言うなよ」って感じですか?(笑)
moN : そうそう、そんな感じ。よくわかってるじゃない(笑)。
 他にあとあのゲームは「処理落ち」っていう言葉も知らないから(笑)。何事もなかったかのように平然と処理落ちしたりするからね。(笑)
aI : それはすごいですねえ(笑)
moN : あとねえ、すごいところは本当にいくらでもあるんだけれども、主人公の後歩きとかものすごいよ。
aI : どんなふうに歩くんですか?ドラクエ1の勇者のカニ歩きと比べてもすごいんですか?
moN : いや、ドラクエ1のカニ歩きなんて、ぜんぜん正常な歩き方だからね。だって、エアーズアドベンチャーの主人公はピタッと固まったまま、後ろへスライドしてゆくから。あれは人間業ではできないよ(笑)
aI : 見ていないので、よくわかりませんけれど、なんだかすごそうですね……
moN : まあ、今まで語ったのなんてほんの序の口だから。あのゲームは買ってやらなきゃ駄目だよ。最高級のクソゲーだから。

2001-7-7

(C)Akito Inoue