Critique Of Games ―ビデオゲームをめぐる問いと思索―

ビデオゲームをめぐる問いと思索 http://www.critiqueofgames.net/


 『逆転裁判』以後、アドベンチャーゲームにおける「選択肢」のあり方は大きな変更を余儀なくされている。  『逆転裁判』以前は、通常アドベンチャーゲームおける「選択肢」は、多くが「コマンド総あたり制」といわれるような、とにかく、現在可能なコマンドを全て選んでみれば、何かしらイベントが進展する、というようなまったくの緊迫感もなければ、ある選択肢が選ばれければならないという必然性も薄かった。  しかし『逆転裁判』では、選択肢というのは、それまでの裁判の流れ、証言・証拠から総合的に推理して必然的に選び取られるもの、合理的に納得可能な正解/不正解を設定されたもの、として成功し、アドベンチャーゲームにおける駆け引き要素、や推理要素の薄さを、おおきく組み替えた