二つの平等 †
プレイヤーの能力への平等な結果の保証 †
FPS、格闘ゲーム,落ち物系パズルゲームなどでは、プレイヤーのゲームをプレイする能力に対してゲームの結果が変化する。ヘタな人は負け、上手い人は勝つ。その意味では、こうしたゲームシステムは不平等なものである。 ただし、ゲームプレイの能力を鍛えれば、だれでもきちんとゲームに勝つことができる。その意味において、FPS,格闘ゲームなどは能力に対して平等(公正)な結果を返すことが期待されるシステムであるといえる。 ここでいう「能力」とは、そのゲームごとに求められる訓練可能な反射能力/知的能力である。(訓練可能でない能力は、平等とは結びつかない)
プレイヤーの(投下)時間に対する平等な結果の保証。あるいは、プレイヤーキャラクターの能力への平等 †
ただし、上記のようなFPSや格闘ゲームは、プレイヤーの投下時間に対する平等は保証しない。 こうした形の能力強化に興味を持たないプレイヤーもいる。そこで受け入れらたものの一つが、プレイヤーがゲームに費やした時間によって、結果を平等に保証するシステムである。具体的にはゲームにおけるプレイヤーキャラクターの「成長システム」と呼ばれるものだ。これは、特に日本ではRPGで発展し、現在では各ジャンルのシステムに幅広く取り入れられているが、
80年代後半に、『ドラゴンクエスト』が広く受容されたのは、当時大流行していた『スーパーマリオブラザーズ』がプレイヤーの能力を問うものであったのに大使、ドラゴンクエストはレベルあげを時間をかけていけば、いつかはかならずクリアできる。そのような形で「万人が(時間さえかければ)確実にプレイできる」ものとして和製RPGは当初受け入れられた。言い方を変えれば、 時間に対する平等、ということは、ゲームプレイの能力のないプレイヤーに対する救済措置として機能する。ただ、一方で、時間に対する平等な結果の保証は、能力に対する平等な結果の保証とはならない。
両者を混同させる戦略 †
両者を混合的取り入れることで、平等のあり方を意図的に混同させてゆく戦略をとるようなゲームはマジョリティ向けのゲームでは多い。
たとえば、『スターウォーズ バトルフロント』は能力が問われるFPSだったが、欧米で大ヒットした後の『スターウォーズ バトルフロント2』では、純粋なFPSだけでなく、そこに成長システムが加わる。このようなシステムの下では、プレイヤーは自分が上手いから強いのか、単に時間をかけてプレイしたから強いのか、が曖昧になる。しかし、理由はわからずとも、とりあえずプレイを重ねるにつれてどんどん勝てるようにはなっていくため、プレイヤーにゲームを持続させることが可能になる。
『スーパーマリオブラザーズ』の場合、基本的には能力が問われるゲームということになっているが、 †
三つ目の競争システム:現実世界における競争システムとのリンク †
→RMT