Critique Of Games ―ビデオゲームをめぐる問いと思索―

ビデオゲームをめぐる問いと思索 http://www.critiqueofgames.net/

home / Top/他者

  • 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
  • 他者 へ行く。

 いかようにでも使いようのある幅広い話なので、アレだが、普通、現代思想系の文脈で言うと、「わたし」の意志や予測/期待の水準とはかけ離れたところにあって、制御不可能な存在!…みたいな意味あいで使われるわけだが、
 たとえば、ゲームでは、次のような登場の仕方がある。

 1.評価者としての他者:見せびらかす相手。認めてくれる相手であると同時に、自分を認めず、否定し、脅かす存在としての可能性もはらんでいる。観客。 
 2.敵、ライバルとしての他者:うちたおすべき目標としての他者。さらに「障害物、エネミー」としての他者と競争者(コンペティター)としての他者にわかれる。 
 3.味方としての他者:冒険の協力者としての他者。 
 4.他者としてのプレイヤーキャラクタ:自己の延長線上のもの、分身。として配置されているはずのPCだが、『ポートピア殺人事件』などでは、自己の延長線上の存在が、裏返ったりする。
 5.プレイヤー圏の他者


 これらの中でも最も重要だと思われるのは「観客」という概念。観客概念は正確には「ライバルとしての敵(コンペティター)」や、「味方」の中にもふくまれている。それが見つめ返してくる主体である限り、遊びに参与した自分を常にそれは見ているわけである。
 また、「制御不可能な存在としての他者」みたいな話は、ゲームの場合、プレイヤーキャラクターが、実は、他人だった!みたいなときに顕著にあらわれることになる。


*関連 [#d4507ac3]
[[観客]][[内在する観客]][[遊びつつ遊ばれる]]