Critique of games | 作品ガイドとしてのゲームアワード

http://www.critiqueofgames.net

 レッツ権威主義!というわけではないのですが、どういう団体にどういう作品が高く評価されているか、ということを比較対照して提示したいな、と思いまして、いろんな団体のやっているゲーム関連の受賞状況をまとめてみました。現在のゲームの評価のされ方というのがどういう方向性になってるのかな、ということを調べてみるための参考としてご利用ください。



各年度ごとの状況。まとめ。(受賞作、売上、雑感、ニュース)
2000年度(H12年)の各賞の受賞作品
2001年度(H13年)の各賞の受賞作品


※それぞれの受賞状況についての記載しているのは流用して使用するためではなく、それぞれの状況を一緒に並べられている状況を参考に作品をプレイして検討していただくことでアワードの傾向性を相対的に捉えられるような形で提示することが主目的であり、著作権上抵触しない範囲での使用であるとは考えていますが、各賞の主催団体に迷惑をかけるつもりはありませんので、もしも利用するなというのならば早急に記載を削除いたします。苦情がありましたらサイト管理者のほうまで直接ご連絡下さい。

※それぞれのアワードについての以下の解説は私(井上)の個人的な見方によるものであって、アワードの主催団体などが公式に発表しているようなものとは何の関係もありません
□ GameDevelopersChoiceAward http://www.gdconf.com/
ゲームというメディアの可能性の最先端をゆくアワード

 ゲームの開発者が選ぶゲームアワード。アメリカ最大のカンファレンス"Game Developers Conference"が主催している。家庭用ゲーム以外のものも評価の対象となっている。
 傾向性としては、ゲームの開発者が選ぶだけあって、ゲームというメディアに対して真剣に関わっている人間にとっては衝撃を与えずにはおかない作品に高い評価が与えられており、当サイトとしてはこのアワードで評価されている作品はけっこうオススメします。
 もちろん、ゲームをあんまりやったことのない人とか、ゲームというメディアに対してたいした興味のない人にはそこまでオススメはできないのだけれども(例えばF355とか)、ゲームというメディアの広がりの可能性をめぐる論議に感心のあるような方は是非とも参考に。
 ※海外版のタイトルと日本版のタイトルは違うことが多いのでご注意
 (以下のリンク先は全てIGDAのディレクトリものであり当サイトとは関係ありません。)
 
 >> 2002 Game Developers Choice Awards http://www.igda.org/awards/awards_pr_11.htm
 >> 2001 Game Developers Choice Awards http://www.igda.org/awards/2001awards.htm
 >> 1999 Spotlight Awards http://www.igda.org/awards/1999awards.htm
 >> 1998 Spotlight Awards http://www.igda.org/awards/1998awards.htm
 >> 1997 Spotlight Awards http://www.igda.org/awards/1997awards.htm
□ CESA大賞(日本ゲーム大賞) http://www.cesa.or.jp/
日本の業界最大団体によるバランスのとれたアワード
 
 東京ゲームショーなどを主催する日本のゲーム業界最大の団体CESAによるアワード。その年に話題をさらった、まあだいたい妥当なセンだな、と感じられる作品が毎年選ばれている、といった印象。「確かにこの作品はよかったけれど、あれだってあれだってよかったじゃないか」みたいなケチがつかないこともないのだろうけれど、そういうことをいいはじめてもちょっとどうしようもないので、そんなケチをつけるのはやめときましょう。
 優秀賞だけでなく、プログラム賞やニューウェイブ賞といった色々な部門も設けているので賞としてのバランスはさらにいい感じに。

>> 日本ゲーム大賞ウェブサイト http://jesa.cesa.or.jp/
□ ファミ通殿堂入り http://www.famitsu.com/

速報性を重視した最も影響力あるバイヤーズガイド

 ゲーム誌の中でも最大手のファミ通が毎週行っている10点満点式のクロスレビュー。
 4人のレビュアーの合計点が35点以上ならば「プラチナ殿堂」、32点以上ならば「ゴールド殿堂」、30点以上ならば「シルバー殿堂」と呼ばれ、ファミ通の読者がこの点数に左右されるというのみならず、小売店なども商品を仕入れる参考としているらしい(開発サイドから提供される役に立つ前情報が少ないので、仕入れの情報の基準として頼るものが結局こういうものになってしまうんだとか)。ファミ通の読者でなくともゲームの販売店でファミ通のクロスレビューが貼り出されていたり「プラチナ殿堂」や「ゴールド殿堂」のシールを見たことがあるはず。あれは「販促用になんかくれ」と販売店から言われてファミ通が配ってるんだそうです。
 その影響性の大きさをファミ通のレビュアー勢自身もやはりかなり意識しているらしく、「影響力があるんだから下手な評点は付けられない」という感じがあるように見受けられる点数が少なからずあり、概して大作シリーズや、前評判の非常に高いような作品にはやや甘いなどといった批判がある。(逆に言えば前評判もなんにもない無名なソフトだとどんなに面白いものでも8点より上の点はなかなか付かない。よほどのものでもせいぜい9点。無名なもので10点がつくのは奇跡的。)
 実際、ファミ通のクロスレビューの評点を素朴に信じるというのはあまりすすめられないが、ごくごくおおざっぱな指標として「速報性重視なんだから」とわりきって参考にする程度の使い方がいいだろうと思う。(ファミ通クロスレビューをどのように用いるか、ということについては近々もう少し細かく書く予定)
>> http://www.famitsu.com/mobile/imode/
(i-modeでクロスレビュー検索ができるそうです)
□ E3大賞(ゲーム・クリティック・アワード) http://www.e3expo.com/
 アメリカのE3(Electronic Entertainment Expo)で授与される賞。
 E3というは日本でいうところの東京ゲームショーのようなもの。
 このエキスポで賞を与えられるというのは大変な名誉なんだけれども、今ちょっと過去の受賞作品一覧を探してるところです。
□ 文化庁メディア芸術賞 http://plaza.bunka.go.jp/
ゲームのアーティスティックな在り方を切り開いた作品へ送られる「芸術賞」
 
 文化庁の主催するもの。ゲームだけでなく様々なデジタルコンテンツへ賞が送られている。

 傾向性としては、ゲームとして新しい可能性を開拓した作品の中でも特にアーティスティックな(何がアーティスティックなのかと言われると困るんだけれども……)可能性を感じさせる作品が受賞している感じ?というところだろうか。
 今一つ指標はよくわからない。
>> 文化庁メディア芸術プラザ http://plaza.bunka.go.jp/
(過去の受賞作を見るためには正会員になる必要あり。)
社団法人デジタルメディア協会 (AMD) 主催。優秀なデジタルコン テンツを表彰する。傾向性は謎。
□ プレイステーションアワード http://www.scei.co.jp/
ユーザー投票と売上による賞でSCEIが主催している。99年まではSECIに貢献した作品へのご褒美という感じで、売上がよかったソフトとかPS2の立ち上げに役立ったソフトとか、そういうものに賞金が与えられるというような賞だったが、2000年からファン投票も開始。
(以下のリンク先は全てSCEIのディレクトリものであり当サイトとは関係ありません。)
 >> プレイステーションアワード2001(pdfファイル) http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/010612.pdf 
 >> プレイステーションアワード2000(pdfファイル) http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/000609.pdf
 >> プレイステーションアワード1999(pdfファイル) http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/990610.pdf
 >> プレイステーションアワード1998(pdfファイル) http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/980519.pdf
□ デジタルコンテンツグランプリ http://www.dcaj.or.jp/
 デジタルコンテンツ協会主催。これも同じく傾向性は謎。
□ 年間売れ行きBEST10
 これは賞じゃないけど。どういうゲームがどういう評価を受けているかということを表す指標としてはある意味一番重要だと言えるので。もちろんこれが全てではございませんが。