特にスクウェア・エニックスの作品などでは昔から深く意識されていることであるといえる。ゲームの世界観を保ったり、プレイヤーにゲームをプレイするテンションを保ってもらうために、ディズニー的なイメージの管理をほどこすこと。グラフィック、音楽はもちろん、インターフェイス、セリフのセンスなどにわたってイメージ管理が施されていないとちょっと雰囲気がよくない。
こうしたイメージ管理の徹底は、作品内においてなされると同時に、作品の広報・プロモーションにおいても重要視される。たとえばディズニーはディズニー作品を無断で用いた擬似商品などの流通を徹底的にとりしまることで、ディズニー商品のクオリティに一定の担保を図ろうとしている。 しかし、ディズニー的なイメージ管理戦略をゲーム会社がとるということは諸刃の刃であるともいえよう。(1)まずは、ゲーム内のキャラクターがプレイヤの想像力に喚起されてポリフォニカルに戯れるためには、そのソースとしてのキャラクターのイメージが無残な消費のされ方をしないように管理していくことはまずは重要な意味が認められる。(2)だが、おなじく、ゲームというメディアはその性質からして*1、ゲームプレイヤによるどうじん的文化と極めて強く結びつくような性質をもつものであり、どうじん文化によって逆に作品そのものがエンパワーメントさせられるという側面がある。
例えば、『ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場』シリーズはどうじん的な文化との親和性を上手く利用したものであると捉えることができるが、一方においてはスクウェア・エニックスによる著作権上のとりしまりの厳しさは一部のゲームプレイヤからの反感もまた買っている。実際に、スクウェア・エニックス社内においてどうじん誌を発行したことによる退職問題などといった事件も噂として流されており、この折り合いをどのようにつけていくのか、というのはゲームのパブリッシャーにとっての一つの課題であるといえよう。