Critique Of Games ―ビデオゲームをめぐる問いと思索―

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 NPC同士が、勝手にいざこざを起こしたりするといったような現象が、最近のゲームでは少なくなくなってきたが、だが、それは、単にそういう「出来事」が起こっている、といった印象があるのみで、それが、ゲームの中でのれっきとした物語性をおびた事件として蓄積されることはあまりない。あるNPCとあるNPCの喧嘩が数値的には表現されているにも関わらず、シナリオの上では、仲がよかったりすることがしばしばある。だが、それでは数の上での変化にしか思えない。  問題は、それがNPCたちの認識の上できちんとした物語をおびた事件として認知されることだろう。そのように人々によって認識され、語られない出来事は単なる数値上の「出来事」でしかない。 そういった単なる「出来事」が、人の口を借りて、発話される中で単なる数値の関係性が「物語」っぽくなる工夫という点で言うと、スポーツゲームの「実況」は極めて素晴らしい。また、『ピクミン』や『FFCC』で見られたような、PCが毎日「日記」をつけるシステムや、シムシティなどの「新聞」といったシステムもこういった工夫としてよく考えられている。

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プロット、ナラティブ、ストーリーテリング、物語


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最終更新: 2007-02-17 (土) 20:46:05